口の直径12.0㎝、高さ9.0㎝の背の高い椀で、器形は、丸型のオーソドックスな形をしています。胴部の上面を若干くぼませており、藁灰釉が暗灰色にきれいに発色しています。

椀は、内ヶ磯窯で多く出土する器種の一つで、口径10.0㎝～12.0㎝までの椀の出土量が多いため、この椀は一般的なサイズと思われます。口径が12.0㎝を越えるものは、椀の中では少なく、器形も特殊なものが多くなります。全体的な特徴では、高台は低く、兜巾高台が大部分を占めます。口径12.0㎝、高台径5.85㎝をはかる椀で、高い高台を持つため、非常にどっしりとした印象を受けますが、底部は薄くつくられています。わずかに内湾する高台から外側に開き、そこから直線的に立ち上がります。外面にはロクロ目がきれいに残っています。底部付近以外に施釉しています。

• 福岡県文化財調査報告書　第163集
• 直方市立図書館に蔵書（外部リンク）