壺形の水指で、胴部は緩くくびれており、胴部に縦方向の太い凹線をいれています(くぼませています)。左右が非対称で釉薬は、風化して石灰化しています。

胴部がくびれ、低い高台を持ち、口径7.2㎝、器高9.6㎝、高台径5.25㎝をはかる、出土したなかではやや小型の水指です。胴部には、太い縦方向の凹線をいれますが、こうした縦方向の彫りは水指や壺に多くみられます。これは俗に言う『織部好み』と呼ばれるデザインです。高台以外に釉薬をかけており、底部付近はケズリ調整です。内ヶ磯窯から出土した水指は、器形でいうと、桶形のものと、壺形のものがあります。桶形のものには、平底のものと、三足の足が付くものがあり、壺形のものは、この水指のように高台がつくものがほとんどです。

• 福岡県文化財調査報告書　第170集
• 直方市立図書館に蔵書（外部リンク）